パチスロ業界を席巻した『クランキーコンドル』の正統後継機として登場したのが、この『クランキーコンテスト』。青を基調とした筐体色から、ピンクっぽい色に変更されたため、登場した当初は「女性向けに作られた優しい仕様なのかな?」と想像して初打ちしたのを覚えている。
リール配列や大まかなゲーム性はほぼ同一だったため、特に違和感なく遊技を始める事ができたが、何やら異変を感じたのは初めて引いたBIG中だった。前作では2コマの余裕があったリプレイハズシが、ビタ押ししか通用しなくなっているではないか。
突如レベルアップを強いられたBIG中にすっかり動揺し、初回のBIGは330枚ちょっとしか獲得できなかった。前作で目押しに物を言わせていた自分にとっては、屈辱的な出来事だ。
「これで引き下がるわけにはいかない」と思い、しばらく遊技を続けていたが、今度はまた違った違和感を通常時に察知した。
ご存じの方も多いと思うが、通常時は左リール青7狙いで小役狙いをしていると、中リール青7を狙いの際、配列上ベルを取りこぼしてしまうのである(前作では青テン狙いではベルをこぼさない)。これまた、初打ち時には知らないまま青7狙いで2000Gくらい回してしまったのを覚えている。
この他、実はボーナス中のJACの払い出しが14枚になっていた事を実戦2日目に気付いたり、REG確率がこっそり下げられている事に友人の指摘で気付いたりと、後々知らされる事が多かった機種だが、一般的に言われがちな「ただただ辛い機種」という意見に、個人的には否定的である。そもそも前作は甘すぎただけで、本機が「普通」と捉えているのは、もしかすると筆者がM体質なのかもしれないが、本機の難易度の高さに気付いたホールがこぞって高設定を入れた事を考えると、一概に「辛い機種」とは言えないと思う。
全台設定456、さらに一部のホールでは全台設定6なんて状態も見られた本機。「プレイヤーの技術があれば勝てるよ」と、あの筐体パネルに鎮座するコンドルから挑発されているようで、当時はひたすら勝負に挑んだが、集中力はなかなか持続せず、勝負は五分五分だった記憶がある。ただ、繰り返しになるが全台設定6なんていう、今では到底考えられないホールの設定配分を考えると、当時のホールはプレイヤーと向き合って営業していたのでは・・・と振り返る。
難易度が高い機種や知名度の低い台であれば高設定を導入してプレイヤーに遊技機の魅力を感じてもらい、逆に難易度が低かったり機械割や人気の高い台である程度ホールは利益を確保する。今の時代を悲観するわけではないが、より個性的な台が多くメーカーから発表され、その機種ごとの特性をいち早くホールが察知し、それら機種を活かす設定配分をする事でプレイヤーも存分に楽しむという、「メーカー×ホール×プレイヤー」が良いバランスで共存していたのだろうな・・・と感じさせる、そんな想い出の台である。(編集T)