「『クランキーコンテスト2』について何か書け」というのは、いくら編集長からの命令だとしても、正直しんどい。なぜなら、『クランキーコンテスト』(ややこしいのでここでは『1』と表記)と『クランキーコンテスト2』(以降『2』)は見た目やゲーム性は一緒で、違うのは「JACの払い出し枚数」と「REG確率」くらいだろうか。既に、違いを書き終えてしまった私にとって、『2』について語るのはあまりにも理不尽である。
理不尽と言えば思い出すのは、『1』の技術介入レベルの高さ。せっかく『コンドル』で超面白いと感じた通常時やボーナス中は、場所によってはベルを取りこぼしたり、リプレイハズシがビタ押ししか受け付けないなんて、ようやくレベルアップを果たした中級者スロッターには理不尽過ぎる、ストロングスタイルな仕様だった。
そんな私みたいな声が、細々とメーカーさんに届いたのか、「しょーがねーから、技術介入はそのままだけど、見返りは増やしてやるよ」と言わんばかりにバージョンアップされた『2』が登場。正確には気が付いたらホールに登場していたらしいのだが、筐体含めほぼ同じ外見からその当時は『2』を一度でも打ったのか定かではない。
不遇だ、不遇過ぎる。打った事もない可能性がある台についてコラムを書かされる自分も不遇だが、様々なスロッターの意見を反映して仕様を変更したのに、見た目が変わらないため、多くの人が知らないままこの世を去った『2』は、なんていう不遇台なんだろう。
『コンドル』『1』があってこその『2』だったのか、それとも『2』が初代だったらクランキーシリーズはまた違った歴史を作っていたのだろうか。それら全ては「たられば」に過ぎないが、一つ確実なのは、当時自分が『1』より甘い『2』をメインに打てていたとしても、技術介入レベルは変わらないため、結局収支は散々な結果だった事だろう。だがきっと、『2』への仕様変更を大喜びしたプレイヤーも全国に3人以上はいるはずだ。
様々な理不尽や不遇を乗り越え、一部のスロッターが美味しい思いや楽しい想い出を本機に抱いていれば、本機が存在した価値は十分にある。十数年の月日を超えて、この愛すべき不遇台に改めて乾杯。(編集Y)